- 主人公は11歳の中国人の少女、ウェン。幼少期に親に捨てられた彼女は、養護施設で育つ。寂しい生活の中での唯一の支えは親友のシューリンだった。ウェンがアメリカ人夫婦の養子になることが決まったとき、ウェンは喜ぶが、同時にシューリンのことを心配する。シューリンはウェンよりひとつ年上で、片足が不自由な為か、養子縁組の話がないのだった。「わたしがシューリンの家族をアメリカで見つけるからね!」とシューリンに言って別れ、アメリカに渡ったウェン。新しい服、十分な食べ物、学校へ通うこと、誰かの娘になること。すべてが待ち望んでいたことのはずなのに、ウェンはなかなか新しい環境に慣れることができず、新しい母の愛を素直に受け入れることもできない。頭の中は、中国に残してきたシューリンのことでいっぱいだった。シューリンの新家庭探しに奮闘するウェンだが、国際養子縁組は14歳未満とする、という中国の法律の壁が立ちはだかる。シューリンの14歳の誕生日のカウントダウンが始まるなか、中国の伝説、赤い糸でむすばれた「姉妹」は、伝説の通りに再び会うことができるのか?
ウェンが新たな地で愛情を実感できるまでをいきいきと描き、後半は親友の国際養子縁組の成否をスリリングにつづる、読み応えある作品。
- ■規格: 200×140×20mm
■作者名: キャロル・アントワネット・ピーコック/作 日当陽子/翻訳 野田あい/絵
■ページ数: 320ページ
■ISBN: 9784577049440
■対象年齢: 11歳から